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2017年のNPOxITトレンド予測 – キーワードは「データの価値」

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株式会社カルミナは2016年9月に第一期が終わりました。
無事に少しの黒字と、多くのノウハウや経験、人のつながりを得て、第二期に入りました。

現在社員は私ともう一人、それにパートタイムで数名が関わる組織になっており、おかげさまで10団体以上の方と一緒に仕事をさせていただいている状況です。

しかし、まだまだこれからであることは火を見るよりも明らかです。
NPOが解決に尽力する社会課題には、テクノロジーを活用できる部分はまだまだたくさんあり、私たちはまだ全くそこへアプローチできていません。

2017年は、組織も大きくし、テクノロジー活用の価値をこちらから提案していく会社にして参りたいと考えております。

今回は、そんな私たちが2016年様々な方と接し、情報に触れて来た中で考えている2017年のNPOxITトレンド予測をご紹介いたします。

データを持つNPO、持たざるNPOで格差が生まれ始める

みなさんの団体では、どれだけデータを管理していますでしょうか。
それは誰が見ても活用できる状態になっていますでしょうか。
事業運営で発生する全てのデータを整合な状態で、管理できていますでしょうか。

ここでいうデータとは、活動に関わってくれている方々の情報、活動で発生する様々な履歴情報です。
履歴情報とは、例えば、参加者のアンケートや入出金の帳簿、メールのやりとりなど活動にまつわる全ての情報です。

私がこの数年で感じるのは、NPOの方々が「この団体の活動はすごい!」とおっしゃっている団体では、データの管理に細心の注意が払われ、大切に扱われています。

それは企業活動でも同じです。
企業では、これまでデータの管理に必要なITは、経営的な観点では「コスト」として捉えられていました。
しかし一昨年くらいから、これまでコストをかけて管理してきたデータを「収益源」として見直し、新しい収益活動に活用していくという事例が増えてきました。

企業セクターでは、「デジタルビジネス」と呼ばれ、IT企業は二言目にはデジタルビジネスと言う、というような2016年でした。

リンク:デジタルビジネスが新たな経済活動を加速する – 日経BP ITpro

2017年はこれをもっと加速させる新たな製品、サービスが生まれてくることでしょう。

一方で、NPOセクターではどうでしょうか。

近年は、NPOでもファンドレイジングには、マーケティングが必要だと言われるようになりました。
NPOの活動を客観的に評価するために「社会的インパクト評価」が必要だと言われるようになりました。

これからうまく寄付が集まるマーケティングツールが出てくるでしょう。
インパクト評価ツールも、もっと浸透して、利用のハードルも下がるでしょう。

しかし、これらはあくまで「ツール」であり「方法」であり、「手段」です。
そこには、各々の団体が活動してきて得られた知見や結果が「データ」としてあることが前提です。

料理でいうと、データは「食材」です。そして、ツールは「調味料」であり「食器」「調理器具」でしょうか。
いくらいい調理器具が発明され、使いやすい調味料があっても、新鮮な食材がなければ美味しい料理はできません。

NPOが活動で培ってきた知見や結果が、最新のデータとして管理されていなければ、マーケティングも評価もできません。

逆に言うと、「活動がすごい団体」は最新のデータを正しく分析し、よりよい活動に活かせます。
より共感を生む方に対して適切な寄付のお願いができます。
自分たちの結果をしっかり評価し、対外的に示すことで、より多くの支援を得ることができます。

そして、格差が生まれます。

データを持つNPOはより大きなインパクトを目指して活動し、持たざるNPOの居場所はどんどん少なくなります。

企業もNPOもこれからは、いかにデータを大切に扱うかが経営を左右します。

企業が社会課題解決の担い手となり、NPOと競合し得る環境になっていく

ここ数年で、たくさんのテクノロジー用語が一般的になってきました。
2012年くらいまでは、「クラウド」や「モバイル」くらいだったのが、いまは「AI(人工知能)」や「IoT」、「VR/AR(仮想現実/拡張現実)」「FinTech」などの「○○Tech」、「ビットコイン」なども。もう少し広げると「自動運転」や「ドローン」なども新しい用語でしょうか。

このように数年で新しい要素技術がたくさん実用化していくことで、多くの企業もそれをビジネスにしようとしています。
それも多くは、日本が抱える多くの社会課題を解決するためのビジネスになろうとしています。

分かりやすい例だと、「自動運転」です。

まずはこの動画をご覧ください。

これはロボットタクシー社のコンセプトムービーです。

これはまさに長年NPOがやってきた「移動支援」のソリューションモデルではないでしょうか。
もし、ロボットタクシー社がその資本力でこのサービスを展開したとしたら、多くの移動支援のNPOと競合し、最悪の場合、置き換えられてしまう危険性さえあります。

私個人の思いとしては、ロボットタクシー社のテクノロジーとNPOが持つノウハウをうまく統合してサービス開発をしてほしい、そうできるように私たちにできることがあればなんでもやりたいと思っています。

ただ敵対的対立軸で自動運転が参入すれば、過疎地にもともとあった地縁などの関係性が徐々に失われていくでしょう。
各地域のNPOが単に移動サービスだけを提供しているのではありません。

私もカルミナとしても、これをとても憂慮しています。
テクノロジー業界は「ディスラプト(破壊)」を良しとする風潮があります。
既存の仕組みを破壊して、新しいサービスを作り出すことが大切な場面がありますが、社会課題の解決という視点で見ると必ずしもそのアプローチがいいとは思えません。

私たちにできることは、NPOの事業運営にもテクノロジーの視点をもっと入れていただけるようにするために、最新のテクノロジートレンドやそれらの仕組みをわかりやすく、そして価値があるように説明をしていく必要があると感じています。

そしてNPOの方々にも、「ITはよくわからないし、うちには関係ない」と言わず、ぜひ前向きに情報を収集してほしいと願います。
そうしないと、ある日突然、存在意義が失われる危機に見舞われるかもしれません。

NPO価格(格安または無料)のITサービスは今後も増え続ける

上にも書いたように、最近創業する起業家たちは、かつてのホリエモン世代のように「儲けることが最優先」ではなく「社会課題を解決する」が最優先の方たちが多いです。

もちろんビジネスがうまくいくことが最優先ですが、社会貢献にも大きな関心があり、熱意もあります。
彼らが社内メンバーや時には社外のステークホルダーを説得し、NPO向けに安価にサービスを提供してくれます。

わたしのところにも時々相談がありますし、この流れは今後も続くでしょう。

ここで出てくるのが、ITリテラシーが高い団体はそれらを有効に活用していきますが、
そうではない団体は、なかなかその恩恵を受けることができません。

私たちは、この情報格差についても積極的に取り組んで参ります。

最後に

2017年は、「データ」が大切になります。これがNPOの活動の質を左右するといってもよいでしょう。
そのデータをうまく保存し、利活用していくためにはテクノロジーのトレンドを知る必要があります。

ちょうどいいタイミングで、「日本財団CANPAN・NPOフォーラム」の一講座を持たせていただきます。
テーマは「2017年こそ、もっとITサービス・ツールの活用を!~2016年までのITトレンドから見た2017年にNPOが活用すべきITとは~」です。

この記事のトレンドをベースに事例をふんだんに織り交ぜて、お話させていただきたいと考えています。

平日の昼ですが、ぜひご参加ください。

日 時:2017年1月27日(金)14:00~16:30(開場13:45)
場 所:日本財団ビル8階セミナールーム
定 員:40名
主 催:日本財団CANPANプロジェクト
対 象:NPOの方、ITツールに興味関心がある社会人の方ならどなたでも
参加費:1,000円(事前決済・キャンセル不可)

リンク:申し込みはこちら

リンク:セミナー詳細はこちら

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